日本シリーズの「確率61%」と、当サイトの「71%」は何が違うのか
2026年10月24日、日本シリーズ第1戦でソフトバンクがDeNAに3対1で勝利しました。初戦勝利チームの約61%が日本一になっている、という過去の成績も話題になっています。
ところが、この「61%」という数字を見て、少し引っかかりました。これは過去の日本シリーズで先勝したチームが日本一になった割合です。今年のソフトバンクが日本一になる確率と、そのまま同じではありません。
一方、当サイト「プロ野球確率情報」のモデルでは、10月24日の第1戦終了時点でソフトバンクの日本一確率を71%、DeNAを29%と見積もりました。もちろん、モデルが正しい保証はありません。しかし、過去の集計から得た割合と、現在の条件から推定した確率は、統計的に意味が異なる数字です。
「出た割合」と「出る確率」は違う
公平な六面サイコロを10回振り、1が2回出たとします。観測された割合は2/10=20%です。しかし、次に1が出る確率は1/6、約16.7%です。観測した回数の割合が、そのまま次回の確率になるわけではありません。
日本シリーズでも同様に、「過去の先勝チームの約61%が日本一になった」という事実と、「今年先勝したチームが日本一になる確率は61%」という主張は区別する必要があります。過去の76回で46回なら60.5%です。この値は観測された相対度数であり、今年の対戦条件を評価した結果ではありません。
過去の割合に意味がないわけではない
過去の相対度数は、確率を推定する手掛かりになります。ただし、過去の対戦と今回の対戦をどの程度同じ条件として扱えるか、という仮定が必要です。先勝したのがどちらのチームか、元々の実力差はどうか、残りの試合がどの球場で行われるかなどは、毎年異なります。
したがって報道としては「過去の日本シリーズでは、先勝したチームの約61%が日本一になっている」と表現すれば、その数字の意味が正確に伝わります。それをそのまま「今年の日本一確率」と呼ぶには、もう一段の推定が必要です。
当サイトは、今年の日本一確率を計算する
「プロ野球確率情報」では、ベイズ統計とモンテカルロ法を用いて、蓄積したデータに基づく確率予測に取り組んでいます。統計学では、将来起こる結果にどの程度の可能性があるかを数値で示すことも「予測」です。一方、一般に「勝敗予想」というと、「ソフトバンクが勝つ」など勝者を一つ選ぶ意味で使われることが多いでしょう。当サイトの「確率予測」は、どちらか一方を断定するのではなく、それぞれの結果が起こる確率を推定するものです。
第1戦終了時点の71%は、「ソフトバンクが日本一になる」と勝者を一つ選んだ予想ではなく、日本一になる確率の推定値です。「ソフトバンクの本当の確率を知っている」という宣言でもありません。「その時点で得られた情報と当サイトのモデルの仮定のもとで、ソフトバンクが日本一になる確率を71%と見積もった」という意味です。
この71%は10月24日終了時点の推定値です。10月25日の第2戦もソフトバンクが勝利したため、閲覧時点の最新の日本一確率とは異なり得ます。最新の数値はプロ野球 ポストシーズンで確認できます。
確率予測は、勝敗の当たり外れだけでは評価できない
ベイズ統計で真面目に計算したとしても、使うデータやモデルの仮定が現実に合っていなければ、確率の推定値は現実に即したものにならないことがあります。この点は私たち自身が十分に認識しています。
また、ソフトバンクが日本一になったとしても、それだけで71%が正しかったと証明されるわけではありません。逆にDeNAが日本一になっても、29%という確率の推定値が直ちに誤りになるわけではありません。事前に示した確率と、その後の結果を長期的に照らし合わせていくことが重要です。
過去の割合だけでなく、確率予測にも目を向けてほしい
過去の記録を紹介することには価値があります。ただ、「今年はどちらが日本一になりそうか」を知りたいのであれば、過去の割合に加えて、現在の情報を使った確率予測にも目を向けてほしいと思います。
私たちは、モデルが絶対に正しいと言いたいのではありません。何の確率を、どのような条件で計算し、どこまで信用できるかを含めて、数字を議論したいのです。
過去の割合は過去の割合として。今回の日本一確率は、モデルによる推定値として。その違いを理解して野球を楽しむ情報にしてもらえれば幸いです。
そして運営者としての本音を少しだけ。過去の割合が「確率」としてこれだけ注目されるのなら、せっかく真面目にベイズ統計で確率を計算しているこちらにも、もう少し注目してほしいですね。
執筆:ChatGPT×tsuchim
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